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ウクライナ戦争と分断される世界

大西 広

ウクライナ侵攻に対して、ロシアに対する経済制裁への同調国は36カ国、同調しなかった国は145カ国。その一方、ロシア侵攻直後に開催された国連総会で採決された撤退要求決議では4カ国(ベラルーシ、シリア、エリトリア、北朝鮮)以外、すべて賛成ないし棄権している。「アジア、アフリカ、ラテンアメリカ地域が判断に迷いつつ、独自の判断をしていることがわかる」「ロシアの侵攻は許されない、が、それを機に西側が結束して自分たちに悪徳がなかったように主張することに同調していいものかどうか、という迷いではなかろうか」(「はじめに」より)。著者は今回のウクライナ危機で、底流にくすぶっていた「南北問題」が表面化したと捉え、問題の本質に鋭く切り込む。

 

〈正誤表〉
P3 2行目 「65億」 ⇒ 「64億」
P3 3行目 「65億」 ⇒ 「64億」
P7 図3の説明文 「ドンパス」 ⇒ 「ドンバス」
P37 7行目 「*15」 ⇒ 「*12」 
P40 2行目 「この相違は結局、経済力の有無から来ている」 
※「有無」の箇所に「*13」
P47 表1の出典 「JETORO」 ⇒ 「JETRO」
P76 図7のグラフの線の内容が反対
 「米→中輸出  中→米輸出」
⇒「中→米輸出  米→中輸出」
P77 3行目 「証明」 ⇒ 「照明」
P81 15行目 「コメディティー」 ⇒ 「コモディティー」
P83 左上の柱 『第5章「一帯一路」の実際―中国ラオス鉄道の建設現場から』
⇒ 『第4章 世界のパワーバランスは「経済」が決める』
P106 10行目 「迷惑をかけたのには」 ⇒ “に”が不要
P110 6行目 「おおっびらに」 ⇒ 「おおっぴらに」
P140 表4の説明 少数民族企業の「弘津」 ⇒ 少数民族企業の「比率」
P161 左上の柱 『第8章 排外主義の世界的拡がりと香港「民主派」—「少数民族運動」との類似点とも関わって』が入る
P184 表1の右下のコマの「D1-T、D2+T」 ⇒ 「D1-C、D2+C」

 

はじめに――分断される世界
第Ⅰ部 新冷戦のアメリカ、経済利益の中国
 第1章 気になって仕方がない日本のウクライナ報道
 第2章 ウクライナ危機の本質は何か
――新冷戦の米ロ関係と「一帯一路」の中国戦略
 第3章 バイデンとトランプの違いはどこにあるか
 [コラム] 東アジア共同体から「一帯一路」へ
第Ⅱ部 中国の影響拡大は「経済」で進む
 第4章 世界のパワーバランスは「経済」が決める
 第5章 「一帯一路」の実際
――中国ラオス鉄道の建設現場から
 第6章 中国は「価値観外交」に回帰するか
 [コラム] 中国は社会科学の世界秩序も変える
第Ⅲ部 ウイグル、香港、台湾問題をどう考えるか
第7章 「ウイグル問題」に関する西側キャンペーンを検証する
第8章 排外主義の世界的拡がりと香港「民主派」
――「少数民族運動」との類似点とも関わって
第9章 台湾の「ひまわり運動」と日本の責任
むすびに代えて――アメリカとは異なる日本の国益
補論 米中対立の『帝国主義論』的解釈
――先発/後発帝国主義の数理モデル
[資料1] ケニア国連大使の国連安保理における発言(2022年2月21日)
[資料2] 南アフリカ国連大使の国連総会緊急特別会合における演説(2022年3月1日)
[資料3] 中国李克強首相のウクライナ問題での記者会見発言(2022年3月11日)
[資料4] 中国共産党系新聞が広島原爆投下直後に出した時評(1945年8月9日)


大西 広(おおにし ひろし)=1956年生まれ。慶應義塾大学名誉教授、京都大学名誉教授、日中友好協会副理事長、World Association for Political Economy副会長、北東アジア学会元会長。京都大学大学院修了、経済学博士。
著書・編著に『資本主義以前の「社会主義」と資本主義最後の社会主義』『中国経済の数量分析』『チベット問題とは何か』『中国の少数民族問題と経済格差』『中国に主張すべきは何か』『マルクス主義と長期法則』『マルクス派数理政治経済学』など。

判型・頁数 四六判並製・206頁
定価 1600円(税込)
ISBN 978-4-7807-2217-8
出版年月日 2022年9月5日

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