続・南紀州
向かい風
祥賀谷 悠
前著『南紀州』(2020年12月刊)に続き、南紀州の農村に生きる一家の歩みをたどる。日中戦争前夜から現代まで、親から子、子から孫へと、手渡された歴史を描き出す長編小説の完結編である。本書では孫の世代である洋子が主人公。彼女は傷つきながらも懸命に生き抜き、地方紙記者として社会の矛盾に直面した。紀伊半島の過疎を狙った原発計画、天安門事件に続きソ連の崩壊…… 洋子は向かい風に立つ。
「『南紀州』という長編小説を書こうと思い立った気持ちの底にあったのは、その時代のなかで、人はどう生き、どうたたかい、それをどう未来につないでゆくのか、それを探求してみたいというものでした。また、人として生きてゆくことは、かけがえのない価値を持っているという思いでした」(「あとがき」より)。
第五部・一九七五年・春
第六部・別れ
第七部・新しい時代
第八部・(終章)・向かい風
補足 田辺貝釦労働争議のことなど
あとがき
祥賀谷 悠(しょうがたに ゆう)=和歌山県に生まれる。日本民主主義文学会所属。
判型・頁数 | A5判上製・320頁 |
定価 | 2200円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-1995-6 |
出版年月日 | 2021年4月9日 |
▼ご購入はコチラ