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季論21

2020年 秋 49号

『季論21』編集委員会 編

特集:コロナと共に生きるということ

感染者は1千万人を超え、死者も50万人に達しようとしている(6月28日現在)。新型コロナウイルスの感染被害は止まらない。日本国内も感染者は2万人近くにのぼり、死者は千人を超えようとしている。思いがけない数字が次々に飛び込んでくる。たとえば、学校に通えない子どもたちが世界で15億人以上にのぼり、アメリカの4月の失業者2050万人。わが国はコロナ対策に56兆円を超える補正予算を決めたが、空前の規模とはいえすべて国債で賄う。これまでの分と合わせると国民一人あたり770万円ほどの借金になる。
それでも、10年後にはいい世の中になっているという希望があれば我慢も出来る。そうでないから、このコロナ危機に悩むところは深い。コロナは滅びないだろう。人類(人体)に入り込んで生息し、ときおり暴れるに違いない。とすれば、どう共に生きていくか。サンミツ(三蜜)回避や社会的距離をとって暮らすことは当然としても、社会のあり方を変えないで事が済むとも思えない。これまでの何を守り、何を捨て、何を変えていくか。3・11後には取り逃がしたそれを、こんどこそ手にしたい。少なくともその議論と摸索を本気で始めたい。歴史の転換点はそう幾たびもないのだから。


 

【特集】コロナと共に生きるということ
コロナ禍に日本再生の基軸を考える(インタビュー)/寺島実郎(日本総合研究所会長)
喉元を過ぎさせないために/藤原辰史(農業思想史)
新型コロナウイルスの感染と防御/宗川吉汪(生命科学)
コロナ禍の学校と教育/渡辺雅之(教育学)
テレビが写したもの、写さなかったこと/浮田 哲(メディア論)

【対談・下】
歴史事実と歴史認識 「軍慰安婦」、ファシズム、帝国意識などから考える/宮地正人(日本近現代史)・吉見義明(日本近現代史)
巻頭言 「コロナ禍」からの教訓 /吉田傑俊(哲学)
日本国内における戦争加害の痕跡について(2)…李 修京(歴史社会学)
平成の天皇とは何だったのか(3)/渡辺 治(政治学)
「エネルギー戦略」によるグリーン・リカバリー/明日香壽川(環境経済)

【次世代からの問題提起】 小沢一郎論/城下賢一(政治学)
階級闘争の復権に向けて/佐々木隆治(社会思想)
在り得べき「もう一つの世界」へ/中村一成(ジャーナリスト)
ヴァージニア・ウルフの#Me Too/片山亜紀(イギリス文学)
明日も春を待つ 俳句の十年後問題/堀田季何(俳人)
中国文化大革命50年の記念と記憶 楊継縄『文化大革命五十年』を通読して文革研究を再考する/山本恒人(中国経済)
『歴史の中の東大闘争』疑問と批判、指摘を受けて/伊藤谷生(著者)
小説・木下尚江/原 健一(作家)

【書評】
望田幸男著『ドイツ史学徒が歩んだ戦後と史学史的追想』/池内 了(宇宙物理学)
高橋孝司著『中国社会の法社会学』/大西 広(中国経済)
基礎経済研究所東京支部編『労働組合をどうする――その強化への挑戦』/馬場隆雄(元京都総評副議長)
【観測点】
国民が国政動かす時代/宮城義弘(ジャーナリスト)
コロナ危機とアメリカの「エッセンシャルワーカーズ」のたたかい/岡田則男(ジャーナリスト)
【グラビア】
嵐圭史舞台生活70年
読者の広場
編集後記

判型・頁数 A5判・248頁
定価 本体909円+税
ISBN 978-4-7807-1863-8
出版年月日 2020年7月20日

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