子どもの詩と日記に見る昭和の農村 お茶摘みぐれ、できたらな
校歌を作った先生と子どもたち
今井成司
1950年代後半、戦後の混乱が残る茨城県の農村部ではどのような教育がされていたのか。
本書は当時の子どもたちの日記や詩集を発掘した元教員が、丁寧に編纂した戦後教育の第一級資料集である。
子どもたちが詩や日記を書きながら、身の回りの暮らしの中から生き方を考え、地についた確かな知識を身に着けていく教育実践が浮かび上がってくる。
はじめに 3
Ⅰ 稲のかおりにつつまれながら=「詩集・かしのみ」より
1 はたらく子どもたち
むぎふみ 倉持美知子 12 / 私はがんばるぞ、畑うない 霜田直子 14
いねしき 飯田仁 16 / やぎのちちしぼり 木村茂 18
いねこき 森平ふう子 20 / とんがらしもぎり 海老原きみ子 22
水くみ 飯田忠之 24
2 家族への思い
ぼくのあんちゃん 倉持晴隆 26 / ちっちゃいねえちゃん 木村由利子 28
ぼくと弟 倉持哲也 30 / あんちゃん 張替澄子 32
にいちゃん 小島武 34 / あんちゃんの記念 飯田忠之 36
とこやの父ちゃん 張替忠 38 / やねやの父ちゃん 霜田直子 40
たばこを売ったあと 木村修 42 /けがをしたあんちゃん 秋葉房子 44
3 人を身近に感じるとき
目の見えないおばあさん 金子玲子 46 / びんだらや 木村君子 48
4 空の高みに あこがれて
べんてん様 飯田修 50 / ぶらんこ 飯田仁 52
草を見て 野本喜代子 54 / たんすのひきだし 海老原きみ子 56
ぼくのふでいれ 倉持晴隆 58
5 広がる世界
ジラード裁判 飯田忠之 60 / お金のない日本 木村和子 62
人口えい星 倉持松男 64
6 わたしたち
わたしたちの学級 入江みな子 66 / 私たちの詩集 飯田淳子 68
学級会 森平ふう子 70
「かしのみ」(詩集)に見る鈴木先生の願い
よりよく生きること 本当のことを書こう 72
Ⅱ お茶摘みぐれ、できたらな
一 お茶つみぐれ、できたらな 84
二 日照りの夏=田植えと子どもたち 91
三 兵隊さんの遺骨を迎える 99
四 夜まで勉強した六年二組の子たち 102
五 作文で考えを深める 111
Ⅲ わたしたちにつながる人々のいとなみ、『風土記』づくり
一 六年生共同での、学校としての取り組み 120
二 地域に根差すこと、誇りを持つこと 127
Ⅳ 鈴木雅男先生に聞く
おもしろかった 子どもは友達だった こうして校歌が生まれた
一 満州で生まれて 133
二 代用教員となる 138
三 七重小学校への着任 140
四 中国革命の影響、世界とのとながり 154
五 良く歌った歌 156
六 家庭学習、やってこないとビンタ 160
七 作文、詩、文集 161
八 中国語の学習 163
Ⅴ 鈴木学級で学んだこと
恩師 斉藤玲子 166
あとがき 172 / 詩集「かしのみ」掲載作品 174
今井成司(いまい せいじ)=茨城県生まれ。1965年、県立岩井高校、1969年、千葉大学教育学部卒業。東京杉並第九小学校などに勤務。退職後は、杉並区浜田山小学校などで講師をつとめる。日本作文の会、東京作文教育協議会会員。著書に『1年生国語 教科書教材の読みを深める言語活動』(本の泉社)、『作文名人への道—報告文・記録文・意見文・紹介文・随筆・物語・短歌・俳句』(本の泉社)など多数。
判型・頁数 | A5判並製・180頁 |
定価 | 2,100円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-2264-2 |
出版年月日 | 2024年9月12日 |
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