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一九三〇年代「教労運動」とその歌人たち

長野県「二・四事件」のひびき

碓田 のぼる

暗黒時代を懸命に生きた、教員歌人たち。アジア・太平洋戦争下、子どもたちの健やかな成長と平和を願い、日本で最初の教育労働者の組合「日本教育労働組合」が結成された。弾圧に抗し、この運動に身を投じた若き教員たちは、同時に詩や短歌を愛してやまなかった。彼らの足跡は、誇らかな日本の青春詩史である。

第一部

村山俊太郎 ──春を待つもの
⑴ 百日草
⑵ 嵐の中で
⑶『綴方生活』へ
⑷『詩歌』の時代
⑸ 矢代東村と『詩歌』
⑹ プロレタリア短歌運動への関心
⑺ 明けない夜はない

第二部

今村治郎 ──「修身」教育への抵抗
⑴ 柔らかな心からの出発
⑵ 病床歌人・金田千鶴とのめぐりあい
⑶ 金田千鶴と「二・四事件」
⑷「二・四事件」の伴走者
⑸「修身科・無産者児童教程」の作成

矢野口波子 ──自分のうなずける道へ
⑴ 獄を出てから
⑵ 貧困のどん底を生きる

福澤準一 ──屈折をかかえて生きる
⑴「アララギ」派の歌人
⑵ 歌碑に会う
⑶「一八〇度の変身」の奥底 
⑷ アンドリュー・ロスのこと

奥田美穂 ──知られざる教育ジャーナリスト
⑴ 小説「暗い朝」のおもかげ 
⑵ ヒロインの実像考 
⑶ 奥田美穂の戦後 

第三部

映画『教室から消えた恩師たち』のまなざし 
奥田美穂の墓を訪ねて 
「易水」の踏切りあと 

第四部

治安維持法時代の教育のたたかい インタビュー・藤原晃さんに聞く 

碓田 のぼる(うすだ のぼる)=1928年生まれ。歌人、教育運動家。高校教諭を経て、全国私教連委員長、全教副議長などを歴任。渡辺順三に師事。新日本歌人協会全国幹事、日本民主主義文学会会員、国際啄木学会会員。歌集『花どき』で多喜二・百合子賞受賞。著書に『火を継ぐもの:回想の歌人たち』『団結すれば勝つ、と啄木はいう:石川啄木の生涯と思想』、『歴史:碓田のぼる歌集』、『一途の道:渡辺順三歌と人生』(戦前・戦後編)、『啄木断章』など。

判型・頁数 四六判・184頁
定価 本体1500円+税
ISBN 978-4-7807-1956-7
出版年月日 2020年2月4日

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